こんばんは。

なかた筋整復院　院長　中田です。

これは実際にあったお話です。

結果は、異常なし

70代の女性、腰に痛みを感じるようになり、様子をみていたが痛みが引かないので、整形外科にてレントゲン検査を行うも「異常なし」。骨に異常が無いならそれ程心配ないかと、経過観察になりました。しばらくするも、やはり痛みが引かないので再度受診し検査。結果は「特に異常なし」。
年齢的なものなのか、どうして異常が無いのに「痛いの？痛みが引かない？」。その患者さんは病院を転々とし、検査を繰り返すことになります。原因は腰ではなく「脳」なのではないかと検査するも結果は「異常なし」。最後は全身まで検査を。
この頃になると、何をするにも痛くて、歩くのもやっと、夜も眠れず、いよいよ日中も寝込む様になってしまいました。
見かねたご主人が、少しでも気を紛らわせてあげようと「子犬」を飼って来ました。大当たりです。１週間が経ち、２週間が経ち、子犬の面倒をみているうちにいつの間にか口癖だった「痛い痛い」が無くなり、そして寝込むことも無くなり、１ヶ月が経つ頃には散歩も出来るようにまで回復しました。

この話を聞いた私の見解は、もちろん「原因は有る」です。

例に挙げた女性の「痛み」は、皆さんも感じたことのあるものと同じだったと思いますし、骨には異常が無かったので、筋肉の疲労や筋膜性の炎症などから来る痛みだと思われます。
ですので、整形外科の処置は多分、痛み止めの薬、湿布等だろうと思います。

当初の痛みの度合いは分かりませんが、異常が無いのに悪化の一途をたどり、寝込む程までになるとは想像し難いです。（内臓からの関連痛などは除く）

不安が痛みに変わる？

先生はどの様な伝え方をしたのでしょうか？女性はどの様な受け止め方をしたのでしょうか？

レントゲンの結果、骨には異常が無いです。湿布と痛み止めを処方しますので、数日様子をみて痛みが続くようならまた来てください。

「骨」に損傷が無い限り、基本「異常なし」と診断されるし、処置も上記のようになると思います。特別異常が無いと診断されれば、その場で痛みが引いていなくても、「安心」に繋がりますね。
しかし、ここに落とし穴あります。「異常なし」と聞いていたのに、思いのほか良くなっていかないと「不安・心配」が生じます。
そうすると、一度感じた安心からの落差が以前よりも大きくなり、頭から離れなくなっていきます。
再度「不安の中」受診しても、同じ検査・処方を受け、「また痛みがあるようなら、様子をみてまた来てください。」女性からすると、「また同じか・・・」この言葉には「安心感」はもう無いですよね。

私の考えは、どんな症状でも２度目・３度目の受診が大切になってくるということです。初回の処置（施術）が、患部や患者さんにどの様な変化を与えたかを見極める必要があるからです。なるべく間を開けず来院していただき、再度問診（会話）で患者さんと時間を増やすことで、新たな発見があるかもしれません。
ただ、難しい部分もあり、通院の時間がとれない、日常生活や仕事の負荷が大きい、「それでも速く治りたい」と思う患者さん心理や、思うように治っていかない時に「痛みとどの様に向き合うか」一緒に考えて、方向付けしていくことです。

すぐに信頼関係を築くのは難しいのですが、日々の患者さんとの会話を大切にすることだと思います。

もう一度言いますが、原因（異常）のない腰痛（痛み）は、ありません。

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